シングルファザーでチャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラーのてっちゃんです。資格を活かして、子育てやシングルパパの方の役に立つ情報を発信しています。今回は【シングルマザーの貧困率は?生活や食事の実態について。】をお話いたします。
シングルマザーの貧困率が高い理由というのは?
厚生労働省の2016年度の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」の調査結果から、日本ではひとり親世帯の貧困率が高いことがうかがえます。
相対的貧困率が全体で15.6%だったことに見比べ、大人が1人の子どもがいる現役世帯においては、50.8%と半数をオーバーしています。
さらに、平均世帯年収からしたら父子家庭よりも母子家庭(シングルマザー)の方が低いことが解釈できます。
以下に母子家庭、父子家庭毎に世帯数、就業状況、平均世帯収入のデータを取りまとめました。
母子家庭(シングルマザー) | 父子家庭 | |
世帯数 | 123.2万世帯 | 18.7万世帯 |
ひとり親世帯になった理由 | 離婚 79.5% 死別 8.0% |
離婚 75.6% 死別 19.0% |
正規雇用 | 44.2% | 68.2% |
非正規雇用 | 【 自営業】3.4% 【パート・アルバイト等】 43.8% |
【 自営業】18.2% 【パート・アルバイト等】 6.4% |
平均世帯収入 (母または父の年収) |
243万円 | 420万円 |
世帯数の違いも要因としてありますが、平均年収に関しては、シングルマザーの方が父子家庭より低めで、180万円近く違っています。
また、就業状況にも大きな相違点が見られます。
正規雇用と非正規雇用の割合で対比してみますと、パートなど非正規雇用形態で働いているシングルマザーが多く、パートやアルバイトで収入が安定しないこともあり貧困率が上がっているのです。
正規雇用に就きづらい
シングルマザーにとって、正規・非正規雇用の問題は深刻な状態です。
父子家庭の父親は、当初から正規雇用として会社勤めしていることが多いことがよくありますが、シングルマザーとなる女性は、出産を契機に退職し専業主婦やパートタイマーなどをしていた人もたくさんいます。
それを受け、シングルマザーとなり仕事を探すケースでは正規雇用に就くのはハードルが高すぎる場合もあり、雇用側もシングルマザーであることから雇用を回避するところもあります。
シングルマザーの場合、子どもが体調不良になった場合に帰宅せねばならないことや、子どもがいるために遅い時間まで働けないなど、多種多様な理由で雇用側は正規雇用としては雇うにはリスクという理由がみられます。
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子どもが幼い時期に離婚する傾向が強い
シングルマザーや父子家庭になる理由のほとんどは離婚です。
離婚という原因により、ひとり親になってしまった世帯は、シングルマザーで8割、父子家庭でも7割をオーバーしています。
こんな事態になる平均年齢は、シングルマザーが33.8歳、この方々が育てる子どもの末っ子の平均年齢が4.4歳となっています。
小学校に入学前の子どもがいることから、シングルマザーとなった女性はひとりでに子育てに充当する時間が必要となるため、正規雇用の仕事にも就きづらい状況がもたらされてしまいます。
養育費が受けられない
シングルマザーとなる理由のほとんどが離婚ですが、この際、離婚相手である父親から養育費を受け取る権利があるのです。しかしその受給状況はあまり良くはありません。
養育費を受けない背景として、親同士が養育費の取り決めをしないためですが、そのメインの理由としては次にあげることがあげられます。
相手と関わりたくない(31.4%)
相手に支払う能力がないと思った(20.8%)
相手に支払う意思がないと思った(17.8%)
こういった類の理由から、シングルマザーが貧困に陥ってしまう背景として、離婚時に子どもが小さいので、正規の雇用形態で働きづらいということ、また養育費を受けない場合が多い傾向なども関係していると考えられます。
貧困に悩むシングルマザーの生活や食事の実態は?
貧困に陥ってしまったシングルマザーの多くは生活に貧困し、食事の状態が乱れてしまうことが多く見られることになります。
もちろん影響はそれだけに留まりません。これからの生活の見通しや、周囲からの声や視線からのプレッシャーなどその負担は数限りないのです。
では生活や食事の実態を少し詳細を見ていきましょう。
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満足な食事が取れない
家計の収入源がひとりぼっちになると、遅い時間まで仕事をしなければいけない時間的な制約や疲労から、食事をまともに取れない傾向が強くなります。
家計のために昼夜を通して勤務している場合、食事を通した子どもとのコミュニケーションを取る時間が減ってきてしまいます。
食事の用意だけして、子どもに1人で食べさせるといった家庭もかなりあります。子どもの孤食は貧困に端を発する問題の一つとしてあげられます。
また、疲労と食費に回せるお金の少なさから、栄養バランスを考えた食事が困難になり、結局のところ子どもが成長するために必要な、そして家族として必要な食事時間を取る事が不可能になってしまっているのです。
また、炭水化物が多く、たんぱく質やビタミン、ミネラルが足りないこともわかりました。
しかし、このようなシングルマザーや貧困家庭の子どもの食事をバックアップする動きもあります。子どもの孤食をなくすため、また栄養バランスの取れた温かい食事が摂取できるよう、シングルマザーや貧困家庭を対象にした「子ども食堂」の取り組みが増加し始めているのです。
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