シングルファザーでチャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラーのてっちゃんです。資格を活かして、子育てやシングルパパの方の役に立つ情報を発信しています。今回は【父親が親権争い!過酷な道を進む覚悟が必要!【体験談 Part4】】をお話いたします。
父親が親権争い!過酷な道を進む覚悟が必要!【体験談 Part4】
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子供と共に過ごす手段は途絶えた。残すは離婚調停で親権争いだが・・・
子の引き渡し審判、即時抗告でもこちらの主張が却下された。これは事実上、子供はもう僕の元には帰ってこれないと言う事。高等裁判所で子供の監護は相手方とするとした以上、離婚調停で監護権(親権)を僕側にと幾ら主張しても、高等裁判所より下位にあたる家庭裁判所は、上位である高等裁判所の判決を覆す事はないからである。下位に位置する裁判所は、お上の判決は絶対と言っても過言ではありません。
子の引き渡し審判の即時抗告の決定文を見た後、暫くは堕ちていました。仕事はしていましたが、この時期もミスが多く。何をしても地に足がついていない状態でした。
残すの離婚調停。離婚調停を行い、親権争いをすれば必ず負ける。紙面上でも僕は親でなくなってしまう。そんな事を考えていると、悲しみでいっぱいになっていました。もうそうなってしまったら、色んな事をリセットしようかなって心の何処かで思っていました。仕事も、家族も、友人も、全て一回リセットして、何もないところで1から再スタートしようと思っていました。
そして、一日でも紙面上でも息子の親であり続けたいと思い、弁護士の先生と相談し、相手方が離婚調停を申し立てるまで、放っておこうと言う話になりました。
相手方は、離婚調停はしないで、とにかくいますぐに離婚して欲しいと言われていましたが、ずっとその事に関しては無視をしていました。なんか、これから何して生きて行こうとか、何を生き甲斐に生きて行けば良いのか?色んな事を考えながら、適当に過ごしていたと思います。
今思うと、何をしていたのか細かい事は全然覚えていません。ただただ、生きる意味を見失って、生きる意味が新たに見つかるのか、このまま廃人になってもしょうがないか。。。ぐらいな感覚だったと思います。
離婚調停のはじまり
子の引き渡し審判、即時抗告の決定がされて約、4ヶ月後、相手方がしびれを切らしたのか、離婚調停の申し立てし、離婚調停がはじまりを告げました。
僕はついに来たか、紙面上でも僕は息子の親では無くなってしまう。ただただ、月に一回の面会交流で、触れ合えるだけになってしまう。子供が育っていく上で、こちらは何も言い出せなくなる。この先、相手方が再婚でもすれば、ますます、子供の成長に携われなくなる。俺の存在はどうなってしまうのか、子供にとって俺は・・・など色んな思いが駆け巡っていました。
子の引き渡し審判で、相手方は、絶対に息子は渡さない!という強い意思が有る限り、親権争いでも、親権をこちらに譲ると言う事は絶対にない。このまま、全てが相手方の思い通りに事を進められていくしかないのだろうと、自分の無力さを呪いました。
弁護士の先生は、相手方は、子の引き渡しで、絶対に譲らない姿勢を持っていたので、こちらも離婚には応じないと言う姿勢で行きましょう。但し、親権をこちらに譲り、親権の中にある監護権は相手方にすると言う条件であれば離婚に応じると言う作戦で行きましょう。となった。
親権とは、下記の様に分けられている。
親権 | 身上監護権(・懲戒権・身分行為の代理権)(・居処指定権・職業指定権) |
財産管理権(・法律行為の同意権) |
上記に記載している、親権の中の身上監護権を相手方に指定し、子供と一緒に生活をし、子育てを行うのは相手方とし、親権を僕にする事で、紙面上でも親ではなくならず、如何なる場面でも子供の事に関与することが出来る様にする。と言う内容である。
もう、それしかないと思い。その作戦にかける事にした。もう一緒に暮らすと言う事は、相手方が石を変えない限り不可能であるため、せめて父親として、これからも子供の成長に関与出来る、その最後の望みにかけるしか、もう残されていなかった。
最後の最後まで何が起こるのかわからない。大切なのは貫く姿勢!
作戦は整ったものの、相手方が親権を渡すと言うのも考えにくい、最悪の想定は、どちらの主張も理解が出来ずに、調停不成立となった場合、離婚裁判となり、裁判官の意思により決められてしまう。この離婚調停で如何に相手方を納得させられるかが勝負になってくる。
離婚裁判の詳しい内容はこちら

そして、調停期日になり、家庭裁判所へと足を運ぶ、最後の最後の勝負。ここで成立させる事ができなかったら、もう全てを失う。尋常じゃないプレッシャーと不安と恐怖が襲ってくる。
まずは、互いに交互に主張を調停委員にぶつける。そして退出。こちらのカードはまだ切らない。1回目の主張が終わり、2回目の主張の場面で、流れが一気に変わった。
こちらが、カードを切る前に、調停員が、「この問題、あなたが親権を得て、相手方が監護権を持つと言うお互い譲歩したら解決出来るのではないでしょうか?」と言ってきた。僕と、弁護士は思わず顔を見合わせた。
弁護士はそのまま続けて、こちらもそれは最終手段で考えていたと言う旨を伝え、「その案を相手方に、こちらから(僕等)の提案ではなく、調停委員の案として相手方に伝えてもらえないだろうか?」と伝えると、調停委員は「わかりました」と言って相手方に伝えに言った。
調停委員がこんなイレギュラーな案を出すのは結構稀だな〜と弁護士の先生から話を聞きながら、相手方がどう言う反応を示すのか、胸が締め付けられるぐらいの感じでドキドキしながら待っていた。
調停委員が僕らの部屋に帰ってきた。その答えは・・・まさかのその内容(親権を僕とし、監護権を相手方とする)で合意すると言う事だった。一瞬、時が止まった様に感じ、そして聞き間違えたのかと言うぐらい、不思議な感覚がその部屋に流れていた。
信じられないと言う思いの中、もう一度、弁護士が調停委員に、相手方は合意したのですか?と聞くと、親権を僕とし、監護権を相手方とすると言う内容で合意されました。と笑顔で僕に向かって言ってくれました。
涙が止まりませんでした。弁護士の先生は、僕の肩をトンって置いてくれました。3年半、何度も何度も心が折れて、周りに助けられ、子供への気持ちで立ち直って奮起を立たせる。を繰り返し、やってきた。もうダメだと何度も思っていた。
今までの苦しかった事、やってきた事、支えてもらっていた事、この3年半の事を全てが一瞬の様に頭の中を駆け巡り、泣きまくった。
最後の最後で状況は一変し親権を手に入れる事が出来た。この時、相手方がなぜ、親権を僕に譲ったのかは分からなかったが、どんなに辛くても、信念を貫き通せば奇跡は起こせると言う事がわかった。
何より、紙面上でも何でも堂々と僕は息子の父親でいてられる事、子供が成長して行く上で、僕も子育てに関与していける事が何よりも嬉しかった。
続く。

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