シングルファザーでチャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラーのてっちゃんです。資格を活かして、子育てやシングルパパの方の役に立つ情報を発信しています。今回は【子供の強迫性障害はどの様なもの?】をお話いたします。
強迫性障害の症状
強迫性障害には「強迫観念」と「強迫行為」の2つの症状があります。
強迫観念とは、幾ら打ち消そうとしても頭から離れないないもので、心につきまとい不快・不安な気持が離れない状態です。例え、その事柄が「不合理」であったとしても、頭から消す事が出来ないのです。
強迫行為とは、上記の強迫観念で生まれた不快や不安な気持ちにかきたてられて行う行為の事で、自身でも「やりすぎ」「無意味」と頭では理解出来ていても、強迫行為を止める事は出来ません。
頭の中で不安や恐怖などのイメージが繰り返し繰り返し浮かんできたり、同じ行動を何度もくり返ししてしまうのです。よく見られる代表的な症状は、手を繰り返し洗う、洗い続けるや、鍵を閉めたかどうかが気になってしまって仕方がない。といったものです。
「ドアの鍵をちゃんとかけたかな?」「鍋の火、消し忘れていないかな?」と、急に不安になって家に戻って確かめた事があると言う方も多く、その様な経験は誰もが経験する事です。
なので、心配性なだけでは?と思われるかもしれませんが、強迫性障害は、同じ不安や恐怖のイメージが普通の心配性では有り得ないぐらいの回数を繰り返してしまいます。この様な強迫症状が強く出るために、日常的にスムーズな生活が出来なくなってしまいます。
例えば、何度も鍵を確認しても、繰り返し繰り返し、鍵をかけたのかが気になって、家に戻ります。そのために、出かける事さえ出来なくなってしまう事もあります。
また、「手が汚れている」という不安から何時間も手を洗い続けたり、一度、手洗いが終わっても、すぐに「やっぱりまだ手が汚れている」と不安になり、何度も何度も繰り返し手を洗ったりします。
強迫観念と強迫行為の種類
(1) 不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰な手洗い、入浴、洗濯を繰り返す、ドアノブや手すりなどが不潔だと感じて触れないなど
(2) 加害恐怖
実際にそうではないと分かっているのに誰かに危害を加えたかもしれないという考えにとらわれて、新聞やテレビに事件・事故(ひき逃げなど)として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に直接確認したりするなど
(3) 確認行為
戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手で触って確認するなど)
(4) 儀式行為
自分の決めた手順で物事を行なわないと恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をする
(5) 数字へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に縁起を担ぐというレベルを超えてこだわる
(6) 物の配置、対称性などへのこだわり
物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる
強迫性障害の原因は?
強迫性障害の発症の原因となる特有の要因は特定されていませんが、例えば子供の思春期の時期にはには、第二次性徴により大人の身体へ向かっていきます。この時、心身の変化による、不安定な状態になると共に、成長していく同級生たちとの対人関係も複雑になる事で、特に不安定な状態となります。この不安定な状態をコントロール出来ない場合に強迫症状となって現れる場合もあります。
自閉症をはじめとする発達障害や、統合失調症などの精神病性障害といった脳の障害、対人関係や仕事上のストレス、妊娠や出産がきっかけとなっていることも有ります。
また、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの働きに異変が生じることが原因とされていたり、脳の前頭葉などの血流に異常が生じていることが発症の原因とも言われている。責任感が強く、まじめな性格の人、完璧主義の人がなりやすいとも言われています。
病院で治療することで治すことができる病気
上項でも記載しましたが、強迫性障害の発症は、性格、生育歴、ストレスや脳の障害などといった、様々な要因が関係して、原因ははっきりとはわかっていませんが、解明が進んでいる部分もあり、積極的に治療に取り組めば治る病気です。
強迫性障害の治療には、次の2つの療法を組み合わせるのが効果的だとされています。
認知行動療法
再発予防効果が高い「曝露反応妨害法」という「強迫行為をしないで我慢する」行動療法の一つです。これは荒治療にも見えるかもしれませんが、とにかく不快や不安な気持ちが出ても、我慢をします。上項の例でもあった様に、例えば、ドアの鍵をちゃんとかけたかな?と不安になっても、鍵がちゃんとかかっているかの確認を我慢します。
この様な事を続けていく事で、不快や不安の気持ちが徐々になくなっていき、強迫観念から解放されていく様になって、強迫行為が治っていく方法です。
投薬による治療
強迫性障害の方は、強迫症状や抑うつ、強い不快や不安があるので、抗うつ薬で状態を安定させてから、認知行動療法に入いり強迫性障害を治していくと言う方法です。
最初は少量から始め、薬との相性を見ながら服薬量を増やしていきます。
強迫性障害の原因は多岐に渡りますので、それぞれの状態に応じた治療法を選択していく必要がありますので、医師に相談してください。
どんな時に病院に行けば良い?
・日常生活、社会生活に影響が出ている
常に約束や仕事に遅れたり、日常の強い不安や強迫行為により心身が疲労して健全な日常生活が送れていない時。
・家族や周囲の人が困っている
不快感や不安感を家族や周囲の人にも強制し、強迫観念を周りに巻き込むことが多くなった時。
少しでも気になる事があれば一人で悩まないで専門の医療機関に相談することをおすすめいたします。
▼注意欠陥多動性障害(ADHD)についてはこちらもご覧ください。

▼チック症の症状、原因と対策についてはこちらもご覧ください。

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